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熟女猫様の話

熟女猫様は捨て猫だった。
心ある人に保護され、里親募集がなされ、オレが応募してお迎えした。
初対面は某大型スーパーの駐車場で、保護主さんの車の中。
捨て猫は3匹いて、黒猫2匹、サバトラ1匹。
「この子は尻尾が短くて~」という保護主さんの紹介でダンボール箱の中から出された黒の子猫は、短いというか尻尾がほとんどなかった。その尻尾を見たときにちょっと胸がときめいた。
その子を受け取り抱かせてもらい、何の気なしに膝の上に置いた。保護主さんが別の黒の子猫を出して見せてくれたからだ。さらにサバトラの子猫も見せてくれた。
子猫可愛い。
ほかの子猫を見ている間、膝の上に置いた子猫のことは完全に忘れていた。
ハッ! と気がついた。
もしも子猫が膝の上から車内の隙間に潜り込みでもしたら捉まえるのは困難を極めるだろう。
慌てて膝を見ると……子猫は行儀よくお座りしたままだった。オレが膝の上に置いたときから身動ぎもしていないように見えた。
そのとき。
ああ、この子をもらおう、と決めた。
それがオレと熟女猫様との出会い。このとき熟女猫様、生後2ヶ月。今年の夏で17才。

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